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自己判断力が鍵

平成24年9月10日
NGOオイスカ熊本県推進協議会女性部
火の国わくわくなでしこ隊 隊長
馬料理 二代目天國 女将
吉田 しのぶ
吉田 しのぶ
 東日本を襲った未曾有の大震災と大津波が、多くの尊い命を奪ったのは記憶に新しいところです。

 遠く離れた九州・熊本に住む私にとって、テレビで見る映像はまるで映画かCGのようで、現実のものと分かったのは暫く時間が経過してからでした。

 想定外の巨大津波は堤防を超え、安全だったはずの避難場所も飲み込みましたが、陸前高田市の気仙小学校ではこれまでにない大きな津波と判断した教員が、避難場所に指定されていた校舎から生徒全員を高台に避難させ、全校児童の命を救ったと、後に新聞やニュースで知りました。

 自然災害は容赦なく人間の生活を脅かし、生命をも奪います。熊本でも、本年の7月12日に大きな水害が起こり、30名を超える尊い命が奪われ、未だに不自由な生活を強いられている多くの人々がいます。そんな災害が起こる度に思い知らされるのが、自然界での人間の非力さです。過去のデータや予測等は参考にすぎず、常に自分の五感と意識をフルに使ったその場での判断が必要なことは、気仙小学校の例で証明されています。

 子どもは社会の宝であり、未来の地球を担う命です。本来、人間は生まれながらにして「命」を守る機能を備えています。誰に教えられるでもなく、生きる為に母親のお乳を飲み、不快な時は泣いて訴え、熱い時は発汗し、愛してもらうために笑顔を浮かべる。この命を守る機能なくしては、赤ちゃんは一瞬たりとも生きられないでしょう。そして母親となった女性は、子どもからの信号を正しく受け取るために、赤ちゃんとのアタッチメント(愛着)により母性を育て、己の命を犠牲にしてまでも我が子を守る機能を身につけます。

 私は、この誰もが持つ「自分の命を守る」また「子どもの命を守る」という行動の延長線上に「クライシスマネジメント」があると考えます。自然災害以外にも、日常生活は常に危険との背中合わせです。いつ、なにがきっかけで、命がなくなるかわからない。そのような覚悟も「クライシスマネジメント」には必要ではないでしょうか。

 つい先日目にした光景ですが、私の親族(5才児)が、信号機のない道路を渡る時、右を見て左を見て車に撥ねられないように注意を払っていました。たった5才の子どもでも、危険を避け、自分の命を守っています。私はこの子の行動に「クライシスマネジメント」に求められる心構えのヒントがあると思います。危機にあっては誰も頼りにできません。親でさえ常に側にいてくれるわけではないので、あてにできないのです。頼れるものは自分だけ。生まれながらに持つ命を守る機能を精一杯活用し、生き延びるしかないのです。そのためにも普段から五感を鍛え、自分で判断する力を養っておく必要があります。人の言うことをうのみにするのではなく、自分の力で危険の有無を見分けなければなりません。それを可能にするのが子どもの時から自分の命を守る行動の選択ができる、判断力、人間力を育てる教育であると私は思います。

 人間の一生は長かろうと短かろうと、儚いものです。その儚い人生を、誰しも平穏無事に送りたいものですが、そう甘くはないのが人生です。仏教の教えに「諸行無常」とありますが、次から次へと困難や災害が押し寄せて来ても、それが継続することはありません。その逆もまた然りです。

 どんな災難に遭おうとも、命ある限り、明るい方へ明るい方へと進みながら、心豊かに清らかに人生を全うしたいもの。それが私の信条です。

以上