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既存の言葉では言い様もなく、数さえつかみきれない被災者・被災地の方々にお見舞いを申しあげ、お亡くなりになった方々に哀悼の意を捧げます。
私は、6,434名の尊い命を犠牲にした、16年前の阪神・淡路大震災に、連合東京(労働組合のセンター)の専従であったため、震災の翌18日、有楽町マリオン前で緊急カンパ活動を行い、続いて立川・東京駅・池袋・錦糸町・大井町と6カ所で寄せられた合計4,589,040円を被災現地に納めました。
一方、連合加盟の各産別・単組から名乗り出たマンパワーとともに、救援隊の責任者として、1月29日から3月末まで80名の仲間と共に、六甲おろしが粉雪と共に吹き降ろす避難所で、冷たい床に毛布一枚とホカロンのみで寝起きを共にする厳しい条件下でボランティア活動を行いました。途中で身体をこわし泣きながら帰京する仲間も少なからずいたのを覚えています。
その経験は極限状態が続く中で親を亡くした子供、子供を亡くした親、連れ合いを亡くしたさっきまでの夫婦、余震が続きトラウマになり、夜中に泣きやまない赤ちゃん、眠れないと怒鳴る同室者、ものが盗まれたとわめく同室者、紙おむつが無いためトイレまで保たない高齢者など、失意のどん底に落ち込んだ多くの人々と、ハード面、メンタル面で様々な人間模様が錯綜しました。
日が経つにつれもっともっと深刻な新たな問題が次々と出てくる貴重な体験をしたことを反省点も含め、あらためて思い起こしました。
あたり前のものが当たり前に供給されているのが実は当たり前と思っていたその当たり前が、どれほど有り難いことかつくづくと身にしみます。
また、直接被害でないにしても、想定外の大規模災害に遭遇して、身の回りの衣食住の全てに、ごく当たり前に定着している「便利さ」にどっぷりと浸かった日々の生活、随所に機能する先端技術・交通・通信・医療・工業・農業・漁業などが与えてくれる当たり前の恩恵が、瞬く間に脆く崩壊してしまった大自然の脅威に、人はこんなにも無力であったのか、まざまざと体感しました。
この経験もあったので、その何倍に匹敵するのかも分からない今回の巨大地震に当てはめると、自分の当たり前に近い生活が、被災地の方々と比べなんとも恐縮しながら気づいたことがありますので提起します。
原子炉の津波被災による復旧作業の報道が日夜公開され、内部構造や手の内を殆ど暴露したような形になっているため、その情報漏れについて、テロの脅威を考えると我が国のアキレス腱になりはしないかと大変危惧し、報道の在り方を再考する必要がある。
窓口によっては手数料をとるところがあるとの風聞もあり、善意に影を与えることになりかねなく、義援金が目的地に行き着くことを明確にする意味でも日本赤十字社や社会福祉協議会などで、その点を詳らかに公表し、お金の流れと給付先まで公開する。
公共の交通、特にJRはシャッターを閉めて文字通り家路に帰る困難者をシャットアウトしたが、帰宅困難者、通勤・通学困難者が、徒歩で行き来する沿道での(断水も想定)トイレ提供問題(女性が特に深刻である)を、平常時から、沿道の個人、法人、公共施設などの備えを確立し、「非常時トイレ可」の看板を掲げる。
帰宅困難者、通勤・通学困難者が、地理不案内のため道に迷うための道案内人(地元シルバーボランティアを町会ごとに作るなど)の設置と、同時に臨時宿泊施設休憩施設の提供先をシステム化する。
被災現地の拠点、数カ所にボランティアをコーディネイトする基地の立ち上げを行い、リーダーが組織を持たない少数ボランティアを調整し、目的意識を持った活動を指導する。
相撲協会の力士を現地で社会貢献活動として派遣する。(食料持参)
医師・医療従事者以外に、学校の教師・理容師・美容師・マッサージ師・建設関係者・自動車修理工・楽器奏者・歌手・噺家など特殊技術・金融機関OB、自治体の戸籍係OB、不動産鑑定士・司法書士・英語、中国語などの通訳
鬱やノイローゼに対応するメンタルヘルスケア、カウンセラーの常駐が必要
発電機・チェーンソー・酸素溶接機・電気溶接機・切断機・ジャッキ・小型ユンボなども含む
テレビ・冷蔵庫・洗濯機・電気釜・電子ジャー・クーラーボックス・台車・リヤカー・自転車・スニーカー・地下足袋・長靴・トランシーバー・老眼鏡・筆記用具・懐中電灯・杖・松葉杖・車いす
※これらは公募を行えば多く集まる。
何を立ち上げるにしても、コーディネーターを育てないと何もまとまらず、コーディネーターを育てるためのコーディネイトを推進すべきと思います。また、高齢社会の中で有能な現役OBが眠っています。彼らを起用するきっかけ、起用されるきっかけをあまねく発信したいものです。