3.11では住民への情報伝達の不備が犠牲者を増やした。
確実に起きるとされる首都直下地震では、首都圏においての長期停電、通信・放送途絶、交通麻痺が予想される。かかる事態に於いて、オフィスビル、ホテル、駅などでの逗留を余儀なくされる帰宅困難者や外国人観光客などに対する防災情報・救援情報を提供するシステムは存在しない。この現実に対して、昨年11月に自由民主党に提出した要望書のなかで首都の抱える危機管理の上の問題点を指摘し、「有事の広域情報伝達システムの構築の予算化」としてインフラ構築に向けた予算化の必要性を提言した。
2020年東京オリンピックを待つまでもなく海外からの観光客は年を追って増えてきている。しかし一方、首都の魅力の陰に潜む大規模災害の可能性もまた年を追って高まってきているのであって、それへの備えに遺漏があってはならず、また猶予もない。 そこで、かつてポケベルとして使われていた280MHz帯無線呼出しが、自治体の住民に対する防災情報伝達に極めて有効な手段として、近時、全国の自治体のあいだで急速に広まってきており、そして、なにより1都3県では280MHz帯無線呼出しのインフラを一から構築する必要はないという事実に着目し、有事のシステムたる特徴と実績に加え、システム構築の経済性・迅速性・実現容易性のいずれの観点からも280MHz地域情報配信システムを首都防災に役立てるべきと考え、自由民主党への要望書の筆頭にこれを掲げた。
各方面からの反応は早く、むしろ関心は早期実現のための具体策にあったという点を鑑み、首都における帰宅困難者や外国人観光客などに対する防災情報・救援情報を提供するシステムの早期実現を主たる目的として防災情報伝達システム委員会を新設するものとした。
クライシスマネジメント協議会に防災情報伝達システム委員会を置く。
委員会の構成員は、クライシスマネジメント協議会の役員及び法人会員のほか280MHz地域情報配信システムを既に利用している自治体等で構成する。
委員長には地域情報配信システムを開発しサービスを提供している電気通信事業者の東京テレメッセージ株式会社の代表取締役 清野英俊、副委員長には本システムの施工とインフラ保守を一手に担っている株式会社NHKアイテックより選任する。
防災情報伝達システム委員会は2016年4月に創設する